追悼の辞

大阪公立大学 大学院情報学研究科 教授 瀬田和久先生は,2025年10月11日,ご逝去されました.

先生は,教育システム情報学や知的学習支援システムの研究分野において国内外で多大な功績を残されました. 大阪公立大学(旧・大阪府立大学)では,2000年(平成12年)より研究室の主宰者として,多くの学生・研究者を育成されました. また,学問分野の発展にも尽力なされました.教育システム情報学会では,人材育成委員の委員長,学会誌編集委員長,教育システム情報学会副会長などを歴任され,研究者育成や同学会のあるべき姿の検討など幅広くご貢献されました.他にも,人工知能学会や電子情報通信学会,APSCE(The Asia-Pacific Society for Computers in Education),IAIED(International AIED Society)など,さまざまな学協会にて出色のご貢献をなされました.

研究に対して,「さらに理解を深められないか?」,「何を明らかにしているのか?」,「何が面白いのか?」を考究される態度を常にお持ちで,思考プロセスそのものを言語化してご教授くださる先生でした. かといって,必ずしも初めからすべてを説明するのではなく,まず相手が自分で考える時間を設けてくださり,議論の中ですぐに答えを出せなくとも急かすことなく辛抱強く待ってくださるような,いわゆる「教えない教育」の実践者でいらっしゃいました.

こうした研究活動のご指導はもちろんのこと,私生活や学生・若手研究者の将来などにもご厚情をくださったり,ときに厳しく指導してくださる仁義や義理人情に厚いお方でもいらっしゃいました.

先生から賜りましたご指導ご鞭撻に心より感謝申し上げますとともに,ここに先生のご功績を讃え,謹んで哀悼の意を表します.