名前: 油谷 知岐

ふりがな: あぶらたに ともき

あだ名: あぶちゃん

誕生日: 1994年12月16日


研究について

  • 研究テーマ:
    • 学習方略の経験学習支援システムの研究
  • 研究内容:
    • プログラミングや数学,物理など,個別の領域で知識を獲得・洗練するだけでなく,より高次な,学び方そのものを制御するスキルの学び(学びの学び:メタ学習)が,大学などの高等教育現場で特に重要視されている.このメタ学習では,特定の学習文脈で,学習者自身が何を重要視して学びに取り組んでいるか,といった意識や情動的側面を内省し,その転換に向けたメタ認知的な気づきを与えることが肝要とされている.しかし,学習者の内的な側面は学習者自身にとっても,指導者にとっても目には見えず,介入することは容易ではない.そこで本研究では,学習プロセスを顕在化させるプレゼン課題と,その取組内容に基づいて学習者の心理的状態を意味内容に入り込んで診断し,その変容に目掛けた適応的な介入が可能な仕組みを備えた,「メタ学習の知的学習支援システム」を開発する.

職歴

  • 2022年8月-現在 大阪公立大学 研究員

学歴

  • 2014年3月 大阪府立鳳高等学校 卒業
  • 2014年4月 大阪府立大学 現代システム科学域 知識情報システム学類 入学
  • 2017年3月 大阪府立大学 現代システム科学域 知識情報システム学類 卒業
  • 2017年4月 大阪府立大学大学院 人間社会システム科学研究科 現代システム科学専攻
    知識情報システム学分野 修士課程 入学
  • 2019年3月 大阪府立大学大学院 人間社会システム科学研究科 現代システム科学専攻
    知識情報システム学分野 修士課程 修了
  • 2019年4月 大阪府立大学大学院 人間社会システム科学研究科 現代システム科学専攻
    知識情報システム学分野 博士後期課程 入学

学問周辺活動

  • 大学関係:
    • 2017年4月-2018年3月 大阪府立大学TA(知識モデリング)
    • 2018年4月-2019年3月 大阪府立大学TA(知識モデリング)
    • 2019年4月-2020年3月 大阪府立大学TA(知識情報システム学演習III・知識モデリング・
      プログラミング実践・初年次ゼミナール)
    • 2020年4月-2021年3月 大阪府立大学TA(知識モデリング・プログラミング実践
            ヒューマンコンピュータインタラクション)
    • 2021年10月-2022年3月 大阪府立大学 次世代研究者挑戦的プログラム
            リゾーム型人材育成プログラム
  • 学会関係:
    • 2019年度-2020年度 日本人工知能学会 全国大会 学生企画担当委員
    • 2020年 教育・学習支援システム 若手の会(Yelss) プログラム幹事

研究業績

  • 学術論文:
    • 油谷知岐, 瀬田和久, 林佑樹, 池田満:学習目標の内省を促すセマンティクスアウェアな知的学習支援システム, 電子情報通信学会論文誌D, vol.J104-D, no.8, pp.639-649, (2021).
    • 油谷知岐, 瀬田和久, 林祐樹, 池田満:プレゼン設計課題を通じた行間読み取り活動診断システムの開発, 電子情報通信学会論文誌D, vol.J102-D, no.4, pp.359-363, (2019).
  • 国際会議(査読あり):
    • Aburatani, T., Seta, K., Hayashi, Y. and Ikeda, M.: ITS Promoting Realization of Misguided Self-confidence in One’s Own Comprehension, Proc. of 28th International Conference on Computers in Education (ICCE), pp.93–95, (2020).
    • Aburatani, T., Seta, K., Hayashi, Y. and Ikeda, M.: A semantically enhanced learning environment for Cultivating Meta-thinking Skills, DSC Proc. of 26th International Conference on Computers in Education (ICCE), pp.1–4, (2018).
    • Aburatani, T., Seta, K., Hayashi, Y. and Ikeda, M.: Diagnosing Learning Attitudes of Thinking Between the Lines, Proc. of 6th Asian Conference on Information Systems, pp.239-244, (2017).
  • 研究会・全国大会:
    • 油谷知岐, 瀬田和久, 林佑樹:メタ学習スキル育成プログラムのデザイン原則の検討, 教育システム情報学会 2022年度 特集論文研究会, JSiSE Research Report, Vol.37, No.7, pp.77-84, (2023).
    • 油谷知岐, 瀬田和久, 林佑樹, 池田満:セマンティクスアウェアな教材による学習目標設計スキルの育成支援, 第45回教育システム情報学会全国大会予稿集, pp.65-66, (2020).
    • 宮崎貴大, 油谷知岐, 林佑樹, 瀬田和久:推理小説を題材とした仮説推論スキル育成支援システムの検討, 第45回教育システム情報学会全国大会予稿集, pp.131-132, (2020).
    • 油谷知岐, 瀬田和久, 林佑樹, 池田満:「わかったつもり」を捉える学習者モデルの構成法ーセマンティクスアウェアなプレゼン教材を活用してー, 第34回日本人工知能学会全国大会, doi: https://doi.org/10.11517/pjsai.JSAI2020.0_2B6GS1202, pp.1-4, (2020).
    • 油谷知岐, 瀬田和久, 林佑樹, 池田満:セマンティクスアウェアなプレゼン教材を活用したメタ学習スキーム, 第44回教育システム情報学会全国大会予稿集, pp.183-184, (2019).
    • 油谷知岐, 瀬田和久, 林佑樹, 池田満:セマンティクスアウェアなプレゼン教材を活用したメタ学習の初期評価, 人工知能学会 第86回 先進的学習科学と工学研究会, SIG-ALST-B901-05, pp.24-31, (2019)若手奨励賞.
    • 油谷知岐, 瀬田和久, 林佑樹, 池田満:行間読み取り姿勢の診断と助言生成, 人工知能学会 第80回 先進的学習科学と工学研究会, SIG-ALST-B507-02, pp.7-12, (2017).
    • 油谷知岐, 瀬田和久, 林佑樹, 池田満:プレゼン設計課題による行間読み取り姿勢の診断法, 第42回教育システム情報学会全国大会予稿集, pp.87-88, (2017).
    • 油谷知岐, 林佑樹, 瀬田和久:自己調整スキルの涵養を目的としたプランニング支援システム, 2016春JSiSE学生研究発表会, pp55-56, (2016).
  • 学位論文:
    • 油谷知岐:セマンティクスアウェアなプレゼン教材に基づくメタ学習支援システムの開発, 大阪府立大学大学院 人間社会システム科学研究科 現代システム科学専攻 知識情報システム学分野 修士論文, (2019年3月).
    • 油谷知岐:プレゼン意図添削課題による学習態度変容支援システム, 大阪府立大学 現代システム科学域 知識情報システム学類 学士論文, (2017年3月).
  • 報告書など:
    • 太田光一, 油谷知岐, 古池謙人, 堀越泉, 田和辻可昌, 山元翔:第31回 教育システム若手の会 報告, 人工知能学会 第91回 先進的学習科学と工学研究会, SIG-ALST-C003-05, pp.28-33, (2020).
    • 油谷知岐, 古池謙人:学生企画「各世代の AI 研究者に問う ―『善く生きる』の捉え方―」, 人工知能学会誌, 特集・2020年度人工知能学会全国大会(第34回) 学生企画報告, vol.35, no.6, pp.803-804, (2020).
    • 油谷知岐, 吉添衛:AI研究者は今,哲学者たり得ているか?, 人工知能学会誌, 特集・2019年度人工知能学会全国大会(第33回) 学生企画報告, vol.34, no.6, pp.850-851, (2019).
    • 仲谷佳恵, 倉山めぐみ, 立岩佑一郎, 山元翔, 山本頼弥, 山田拓史, 大岡義旺, 岩井健吾, 吉良元, 荻野了, 油谷知岐:第27回教育システム若手の会報告-振り返ってみよう 教育システム研究の意味-, 人工知能学会 第79回 先進的学習科学と工学研究会, SIG-ALST-B506-04, pp.17-22, (2017).


その他の業績


所属学会


スキルセット

  • プログラム
    • 主要言語:
      • Lisp族言語: Common Lisp(SBCL, CCL, ABCL), Hy, Emacs Lisp
      • Prolog(SWI, AZ)
      • Elixir
      • Java: Application, Servelet, Applet, CORBA
    • 実務に耐える言語:
      • PHP: フレームワークなし, Smarty/Pear, Laravel5系, FuelPHP, Symfony, CakePHP, Codeigniter
      • JavaScript: フレームワークなし, JQuery, React
      • ShellScript: Bash, zsh
      • その他: Tcl, VBA
    • 趣味レベルの言語:
      • Lisp族言語: Arc, Clojure, Egison, ISLisp, Scheme(Gauche, Racket), Shen
      • C, C#, Go, COBOL, Erlang, Haskell, Objective-C, OCaml, Octave, Python(2系, 3系), Perl, R, Ruby, Rust, Scala, Smalltalk, Swift
  • その他
    • オントロジー設計:
    • インフラ運用経験(オンプレ):
      • ネットワーク: 研究室イントラネット(最大接続数100台程度)・DMZ
      • Webサーバ(HP, アプリケーションサーバ): Apache, Nginx, Woo, Hunchentoot, MAMP, 他
      • CMS(Contains Management System): WordPress
      • メールサーバ: Postfix, Dovecot
      • メーリングリストサーバ: Mailman
      • データベース(RDBMS): MySQL(MariaDB), SQLite(3), PostgreSQL
      • データベース(NoSQL): mongoDB, redis, Hadoop
    • インフラ運用経験(クラウド):
    • OS(Operating System)運用経験:
      • Debian: lenny(ver5) ~ buster(ver10)
      • Ubuntu: Lucid Lynx(10.04) ~ Bionic Beaver(18.04)
      • CentOS: CentOS5(5.4) ~ centOS7(7.4)
      • MacOS X: Tiger(10.4) ~ Mojave(10.14)
    • セキュリティ・監視ツール関連運用経験:
      • Certbot: Webサイト・WebアプリケーションのSSL化
      • MAC(Mandatory Access Control): SELinux(Debian), MAC(MacOSX)
      • OAuth: OAuth2.0(認証サーバ運用)
      • Mackerel: 研究室Webサーバの死活監視
    • テキストエディタ・IDE:
      • Emacs: 基本全て
      • Vim: 小規模サーバ管理用
      • Eclipse: Java
      • Android Studio: Android app
      • Xamarin: C#
      • Xcode: Swift, Objective-C
    • その他:
      • ブログ運用・管理: WordPress(研究室HP), tumblr(研究室近況報告), はてなブログ, Yahooジオシティーズ


ひとこと

Knowledge Navigator(ナレッジナビゲータ)というコンセプトをご存知だろうか.1988年に当時のAppleのCEOだった,ジョン・スカリー氏が提唱した未来のAIのあり方のコンセプトです.
リンク先には,そのコンセプトを表現したYoutubeの動画があり,その洗練されたイメージを見せてくれます.ここで挙げられたコンセプトでは,「AIがヒトに替わって仕事をする」のではなく,「AIがヒトの知的生産能力を高めるように支援する」というあり方が示されています.
僕は,このコンセプトに感銘を受け,計算機に知的さを高める研究に興味を持ち始めました.

このコンセプトに出てくるような高度で知的なヒトの支援を行うためには,人間の認知・情動・行動の各過程について,そのプロセスを意味内容に入り込んで理解し,必要な介入を検討し,実施する知的さが不可欠です.
これを実現に近づける知見の創出が,個人的なライフワークになるのではないかと考えています.

より具体的には,人が何かを生み出す,作り出す,という知的さに関心を覚え,計算機システムとの関わりを通じてそれを洗練していくことに携わりたいと考えています.今はとりわけ,暗黙的な思考や信念のような,人が自分でも意識できない側面を捉え,新たな思考プロセスの産出を支援するような高度な知的計算機システムの開発に興味があります.現在の研究では,人が理解している知識の内容や学習課題系列の中での振る舞いから,その学習者の学習観に迫る特性を捉え,適応的な教示を与えるシステムを開発しています.

研究室に入ってからのオントロジー構築の実践を通じて,ヒトとヒト,ヒトと計算機,あるいは,計算機と計算機の間での理解の共有がいかに難しいか,そしてそのことを考えるのがどれだけ楽しいことかを体感するようになりました.こうした経験を通じて,大局的な視座やスキルを培い,新奇で有用な知見を社会に還元できる人材となれるよう,精進したいと思います!

また,関西でLisp言語のユーザー会を運営してます.興味のある方はお気軽に,下記アドレスまでご連絡ください!


Contacts

aburatani [at] ksm.kis.osakafu-u.ac.jp

所属関係サイト: 関西Lispユーザ会

アカウント関係: Github(dbym4820)