こんにちは.

通学途中の信号待ちで,両手をこすりがちな冬の日々です.

4年生の奥津です.

最近驚いた出来事は,ピーナッツクリームに負けてバターナイフが折れたことです.

 

1122~26日に開催された 29 International Conference on Computers in Education (ICCE) 2021 に参加させていただきました.

今回のICCEにおける主な発表形式は,

・プレゼンテーション(Full):口頭発表20分,質疑5

・プレゼンテーション(Short):口頭発表10分,質疑5

・ポスター:60

となっており,この研究室の学生では,奥津(B4)がプレゼンテーション(Short)で,正門さん(M2)がポスターで参加致しました.

 

今までの学会や発表を通じ,自身の研究について語ることには慣れてきたつもりでしたが,今まで一度も経験せず,今回最も不安に感じていたのは英語での質疑でした.

日本語のコミュニケーションさえ怪しい自分が,英語で議論などできるのかという懸念が,長いこと頭から立ち退いてくれませんでした.

本番の数日前,知識も経験も英語力も少ない自分にできる唯一のことは,発表を聞いてくださり,意見や質問をくださった方々に対し,ただただ真摯に誠実に,答えようとする姿勢を見せることしかないと悟り,「もう一度言っていただけますか?」と英語でスムーズに言えるよう,準備を重ねる始末でした.

 

今回はオンラインでの開催でしたので,発表場所は研究室に決めました.

ほどよく構えて集中すれども,近くに先生がいてくださり,くつろぐ先輩を視界に入れつつ,世界に対して発表せんとする状況は,緊張と安心が入り混じり,オンライン発表ならではの光景だったと思います.

聴衆の方々が,自分の発表をどのような姿勢・熱量・態度で聞いてくださっているのか,そういった空気感が伝わりにくい状況ではありましたが,ゆえにその空気に呑まれることなく,自分のペースで発表できました.

パフォーマンスの質を高めるために周囲の環境を変えられること,会場の空気感に当てられた過度な緊張を防げることは,オンラインの学会の良いところだと感じました.

今までの学会発表は緊張してばかりでしたが,今回に関しては,研究室で,スーツを着て,英語で,世界の人々に対して,自分の研究を発表している状況に気分が上がってしまったということもあり,発表の瞬間を心から楽しめました.

不安視していた質疑については,拙い英語で懸命になっているうち,あっさり終わってしまったという印象です.

 

数ヶ月の不安が解消されたため,発表後は心置きなく他の発表や会議全体の様子を拝見させていただきました.

参加者の方々の専門知識量,英語力の高さ,会議の規模感を発表後にようやく実感しました.

レベルの高い会議で発表できたことを悦ばしく思う一方,何も知らずに挑んだ自分に反省もしました.

 

反省点も学ぶべきことも多い経験でしたが,なにより発表の瞬間を楽しめた自分を嬉しく思います.

今後,「4年生で国際会議に参加できた」という意識が自分の中で,「4年生で国際会議に参加した人がいた」という知識がこの研究室の中で,良い方向に活かされることを期待しています.

 

 

 

 

 

余談です.

4月に先生方から,今回の国際会議のお話をいただいた際,

「何も分からない今の時点で『やりたくない』とは言いたくないので,できるところまで頑張ります」

とお答えした記憶があります.

考える時間をいただくと断る理由を探してしまうと思い,あまり深く考えなかったがゆえの発言でした.

この7~8ヶ月,「何が何でも最後まで乗り切ってみせる」というより,「失敗してそれ以上進めなくなるところまでは挑戦しよう」という気持ちでいました.

もちろん,論文執筆や発表準備に手を抜いたつもりは一切ありませんが,「学生のうちは失敗しても許される」という意識が,少々向こう見ずとも思える最初の決断や,その後の諸々に繋がったかなと感じます.

そんな脆弱な精神と半端な気持ちでいた自分を導き,サポートしてくださった先生方や研究室の皆さんに心から感謝しています.

研究室のメンバーの一人として成長することで,今後,今回の経験を様々な形で還元したいと思っています.

ICCE 2021 参加報告